マンションに住むと共同で生活していることから、騒音はとても気になります。偶然起きてしまう騒音は仕方が無いにしても、できるだけ衝撃を和らげる備えをしておきたい所です。
今回は重量床衝撃音と軽量床衝撃音のそれぞれの特徴を理解することと、床の厚みを増すことでそれらの衝撃音を和らげることができるということをご紹介します。
遮音性能の推奨値があるのでそれを知っておきましょう。
重量床衝撃音と軽量床衝撃音の特徴
衝撃音は騒音の中で、最も近所とのトラブルが多いので、できれば気を付けたいところです。
その床の衝撃音には「重量床衝撃音」と「軽量床衝撃音」の2種類あります。
重量床衝撃音 | 軽量床衝撃音 | |
特徴 | 人が歩く音 飛び跳ねたりする低い音 洗濯機の振動 | スプーンの金属を落とした高い音 椅子を引きずる音 靴履きでの歩行音 |
音 | ドンドン、ドスン | コツン、カン |
振動数 | 63~125Hz | 125~250Hz |
数値の単位 | LH | LL |
振動数は重量床衝撃音が125Hzまでの低音、軽量床衝撃音が125Hz以上の高音になります。
重量床衝撃音は歩く音以外に洗濯機の音が特徴、低音で一定のリズムで聞こえてきます。軽量床衝撃音はスプーン、フォークなどの落下音、そして日常の椅子を動かす音などが特徴的です。
特に子供がいると物を落とすことが多く、また椅子を引きずったり、床を飛び跳ねたりと下の階の住人に負担をあたえることになります。
これらの音を抑える性能を必ず知っておきましょう。
コンクリートスラブの厚さで床の衝撃音は防止できる
重量床衝撃音と軽量床衝撃音を知ったことで、できるだけ騒音を出さないようにする対策が必要です。
その効果的な対策として、床コンクリート(スラブ)の厚さで衝撃を和らげるという方法があります。
床の衝撃音は、重量床衝撃音の「LH」と軽量床衝撃音の「HH」という数値で表され、その数値が小さいほど性能がアップ、遮音性が高くなります。
遮音性能の数値
特別 | 推奨 | 標準 | 許容範囲 | |
LH(重量床衝撃音) | LH45 | LH-50 | LH-55 | LH-60 |
HH(軽量床衝撃音) | LL-40 | LL-45 | LH-50 | LH-55 |
遮音性能の水準 | 特に優秀 | 優秀 | 一般的 | やや劣る |
LLとHHはそれぞれ5単位で分けられています。その中で、重量床衝撃音はLH-50以下、軽量床衝撃音はLL-45以下が推奨されています。この数値を覚えておきましょう。
どこで確認できるのか?
では遮音性能の指数はどこで確認できるのでしょうか?これを知らなければ数値を覚えていても意味がないですからね。
この数値については、マンションの様々な構造の性能が書かれている「設計図書」で確認できます。またパンフレットにも小さく表記されていることがあるので、チェックしましょう。
遮音性能の数値が書かれていない場合は?
「設計図書」やパンフレットに書かれていない場合は、担当者に確認する必要があります。数値を知ること以外に「床のコンクリートの厚さ」を教えてもらいましょう。
コンクリートの厚さは床の遮音性にとても重要です。スラブの厚さは20~25cmが目安となっています。