新築マンションと中古マンションを両にらみでで探していると、各マンションに省エネ基準ということが書かれています。例えば新省エネ基準、次世代省エネ基準、断熱、低炭素など。
省エネ基準については昔からありますが、2020年以降は義務化されることが予定されており、より厳しい基準が設けられるようになりました。
これらの省エネ基準とは一体どういう意味なのでしょうか?変遷や歴史を見ながら、今後厳しくなる基準についてご紹介します。マンション選びの基準も大きく変わってきます。
省エネ基準の変遷
地球環境問題や資源問題などが世界的に広まり、住宅などの光熱費を省エネ対策していく方針が進んでいます。
各家庭やオフィスで使われている消費エネルギーの中の60%がエアコン(冷暖房)と給湯器に使われています。
その理由はこれまでの建物は熱が外に逃げてしまうから。その為、次から次へとエアコンの力が必要になり、消費エネルギーやコストがかかるのがこれまでの建物なのです。
そういったことをなくしていくために、マンションでも断熱による省エネルギーへの方向が検討し実際されることになりました。
省エネ基準の歴史
2014年以前と2015年以降では大きく省エネ基準が変更されています。また2020年には義務化も予定されています。
1980年~2014年の省エネ基準と住宅性能表示制度
省エネ基準の名前 | 年 | 住宅性能表示 | 制度条件 |
等級1 | |||
省エネ基準 | 1980年(昭和55年) | 等級2 | |
新省エネ基準 | 1992年(平成4年) | 等級3 | |
次世代省エネ基準 | 1999年(平成11年) | 等級4 | フラット35S、長期優良住宅 |
まず1980年(昭和55年)に省エネルギー基準が制定されました。その後、1992年(平成4年)に改定されて新省エネルギー基準が制定。
そして、1999年(平成11年)に次世代省エネルギー基準が制定されたというのが日本の省エネ基準の制度化の流れです。
2014年までは住宅性能表示制度による「温熱環境(省エネ性)」で等級4が最高でしたが、2013年より低炭素基準による「等級5」が設けられ以下のように変更されました。
2015年以降の省エネ基準と住宅性能表示制度
これまでは温熱環境のみでしたが、2013年(平成25年)より細かく分かれ、断熱等性能等級と1次エネルギー消費量等級になり、低炭素基準による「等級5」が設けられました。
参考:H25住宅省エネ基準の見直し等に伴う住宅性能表示制度の改定について
断熱等性能等級 | 1次エネルギー消費量等級 |
等級5:低炭素基準相当 | |
等級4:2013年(平成25年)基準相当 | 等級4:2013年(平成25年)基準相当 |
等級3:1992年(平成4年)基準相当 | 等級1:その他 |
等級2:1980年(昭和55年) | |
等級1:その他 |
今後、2020年に「省エネ基準の義務化」が予定されています。全ての新築住宅が条件をクリアしないといけないのは「等級4」となっています。
まとめ
2020年に「省エネ基準の義務化」が行われることで、等級4以下は認められなくなります。そうなると等級4以下の中古マンションの価値が一気に下がることが目に見えています。
これまでは耐震基準がマンションの価値を維持するものとして重要視されてきましたが、今後はそれに加えて省エネ基準が加わることは間違いありません。
断熱や低炭素の新基準を設けたマンションは建設コストがアップする分、価格は高くなります。その理由は断熱材が厚くされたり、サッシの断熱性能もアップさせる必要があるからです。
省エネ基準の住宅については価格を見て候補から外したくなりがちですが、ランニングコストや資産価値などを加えると結果的に省エネマンションの方が格安なのです。
マンションの候補が複数あり迷った場合は、その中から省エネ性能の良い物件を選ぶようにしましょう。