マンションの物件情報を見ているとよくRC造、WRC造、SRC造、S造という文字を見かけます。
※今ではS造のマンションはありませんが、過去に存在したので表記しています。
これを知っておくことで、そのマンションがどのような構造で建てられているのかがわかります。
4つの構造の意味とそれぞれの違いについて、適正階数と限界階数からわかることを紹介します。
RC造とは?
RCとは、Reinforced Concreteの略で鉄筋コンクリート構造のことです(直訳すると「補強されたコンクリート」)。
文字通り「鉄筋」と「コンクリート」で建てられています。
一般的にRCといえば、建物を柱と梁で支える骨組みを採用した時に表記されています。
この骨組みはよくラーメン構造と表記されます。
※ラーメンとはドイツ語で「骨組み」という意味。
まず最初に「鉄筋」を組み、その後に型枠に「コンクリート」を流し込み固めています。
「鉄筋」は熱に弱く錆びやすいのですが、その鉄筋を「コンクリート」で覆うことで、熱から守り酸化を防いでいます。
また、「コンクリート」は引っ張られる力に弱いのですが、それを「鉄筋」で補強しています。
以上のことから「鉄筋」と「コンクリート」お互いの弱点(デメリット)を、両者を組み合わせ補うことでメリットだけにしているのです。
RCの特徴としては、耐久性や遮音性に優れてはいますが、その反面、柱と梁が出っ張ってしまうのでその分部屋が狭くなってしまいます。
RC造の一般的な適正階数は、「2階〜8階建の中高層階マンション」となっています。
限界階数は9階〜12階建て。
▲酸化した鉄筋の様子。
WRC造とは?
WRCとは、Wall Reinforced Concreteの略で壁式鉄筋コンクリート構造という意味です。
RCと同じく鉄筋コンクリート構造ですが、柱と梁は使用しません。
代わりに床に分厚い「床スラブ」と壁に「構造壁」を使用することで、建物を支えています。
WRC造は、RCと違い梁と柱を使用しないので、部屋を広く取れるのと壁の強度が高く遮音性があり、費用も安く抑えることができるのが特徴です。
しかし、耐震性などを確保するには、壁量の厚みを必要とするため、壁に設置するドアや窓の場所が限定されてしまいます。
そのため、設計の自由度は低くなっています。
もし中古マンションを購入した時にWRC構造だった場合は、リフォームする時に間取りの変更がしづらい点に注意しましょう。
WRC造の一般的な適正階数は「3階建以下の低層階マンション」となっています。
限界階数は5階建て。
※最近では高強度コンクリートが登場したことで、40階建て以上のマンションでもRC造を採用しているタワーマンションもあります。
SRC造とは?
SRCとは、Steel Reinforced Concreteの略で鉄骨鉄筋コンクリート構造という意味です。
RCと同じくラーメン構造(骨組み)を採用していて、柱の中に「鉄骨」を埋め込んでから、「コンクリート」を流しているので、より丈夫な構造になっています。
しかし、柱の中に鉄骨を使っている分、コスト面では割高になります。
SRC造の一般的な適正階数は「8階建以上の高層階マンション」となっていることから大型マンションやビルなどで使われる構造です。
限界階数は21階〜25階建て。
S造とは?
RC、WRC、SRC以外に、S造もあります。S造とは、Steelの略で、鉄筋構造という意味です。
鉄筋のみなので、耐久性や遮音性で劣るため、今では分譲マンションには採用されていません。
昔の中古マンションに「S造(S構造)」とあれば、その場合はもろい上に、ノイズもします。
絶対に購入しないようにしてください。
まとめ
適正階数 | 限界階数 | |
---|---|---|
RC造 | 2階〜8階 | 9階〜12階 |
WRC造 | 3階建て以下 | 5階建て |
SRC造 | 8階建て以上 | 21階〜15階建て |
RC造、WRC造、SRC造、S造の意味とその違いを紹介しました。
上の表からでもわかるように、8階から12階建が限界階数を適応した場合、RC造でもSRC造でも建てられることがわかります。
それぞれの適正階数を知ることで「限界階数ギリギリのマンションは耐震的に大丈夫?」をいう疑いを持つことができます。
そのあたりを中古マンションを探す時の判断材料にしてください。
特に新耐震基準以前のマンションには要注意です。