カビやダニ、化学物質による「シックハウス症候群」と呼ばれる健康被害があります。
これにより頭痛、のどの乾燥や痛み、鼻水などの症状が出てきたりと問題になったことから、建築基準法改正が行われました。
これらの症状は住宅と大きく関係してくるので、購入前には先にその情報を知りマンション選びの時には必ずチェックするようにしましょう。
中古マンション選びに重要となる、シックハウス症候群にならないための情報を紹介します。
住宅の高気密が関係
今の住宅は冷暖房効きや騒音の影響から高気密に造られるようになりました。
特にマンションはコンクリートや合板を使用していることもあり、その傾向が強くなっています。
また立地の関係で大きな道路の前に建てられることから、強度が増しています。
マンションが高気密になると、空気の入れ換えをしないとダニやカビの発生したり、二酸化炭素の濃度が上昇したりと空気の環境が悪くなってしまいます。
シックハウスになるとめまい、吐き気、皮膚の炎症、のどの乾燥、咳、目がかゆい、鼻水など生活する上に大きな健康障害となります。
参照:科学的根拠に基づくシックハウス症候群に関する相談マニュアル(改定新版・PDF)
建物の接着剤に含まれるホルムアルデヒド
建物に使われる接着剤に含まれているのがホルムアルデヒド。これもシックハウス症候群と大きく関係しています。
このホルムアルデヒドは時間が経つにつれ揮発(きはつ=気体になる)されていくので、建てられてから年月が経った住宅だと安心ということはブログによく書かれています。
しかし年月が経った中古マンションでも未だに揮発が続いていたりすることが報告されていることから見ても、必ずしもも中古だから大丈夫というわけではありません。
2003年建築基準法改正後の中古住宅を選ぼう
ではどのようなマンションを選べばよいのかというと、一つのポイントとして2003年7月に改正された「建築基準法改正」以後の住宅を選ぶというのがあります。
まずはこの時期の建築基準法改正について簡単に紹介します。
2003年施行「建築基準法改正」の内容
2003年7月1日に施行された「建築基準法改正」は、シックハウス対策の規制になっています。それと同時に壁や天井の内装仕上げの制限も規定されました。
- 建築材料の区分:板・フローリング・パネルなど
- 内装仕上げの使用規制:塗料・接着剤など
- 換気システムの義務化
1.建築材料の区分
建物の天井、壁、床に使われる板・フローリング・パネルなどの「建築材料の区分」が規制されました。
規制以降、「F☆☆☆☆(Fフォースター)」の表示がある材料が使われるようになりました。
この「F☆☆☆☆(Fフォースター)」とは、JIS製品に表示が義務付けられている中の最上位企画を示すマークです。
☆の数が多いほどホルムアルデヒドの放散量が少なくなります。「F☆☆」だと使用制限があったり、「F☆」では禁止されたりしています。
現在では星4つの「F☆☆☆☆(Fフォースター)」という表示があるものしか生産されていないので、新築住宅だとそれほど過度に心配の必要はなくなっています。
2.内装仕上げの使用規制
建物の塗料・接着剤などの「内装仕上げの使用規制」も行われました。
同じく規制以降、「F☆☆☆☆(Fフォースター))」が使用されています。
3.24時間換気システムの義務化
「建築基準法改正」以降は「24時間換気システム」が義務化されました。
マンションの場合、排気(部屋の空気を排出)は機械で強制的に行い、外気(空気の取り入れ)は自然に取り込むというシステムを使用しているところが多いようです。しかしこの方法はランニングコストがかかります。
このシステムで一つ注意点があります。誤解されやすいのは、空気清浄がされてるわけではないということです。
例えば高速道路などの大きな道路の前にマンションがあった場合は、外気を取り込むと排気ガスごと室内に入ってきて、逆に有害物質を取り込んでしまうという問題もあるのです。
排気ガス以外には花粉も取り入れてしまうことにもなるので注意しましょう。
あくまで設置の義務化であって、全ての家の通気性が良いわけではありません。
「建築基準法改正」以降のマンション探しの場合でも、サッシ回りやクロスにカビがある場合は通気性が悪いということになります。
特に北側のマンションでは、太陽が当たらないのでカビが生えていた場合は、通気性が悪く「24時間換気システム」が機能していないということがわかります。