中古マンション購入のデメリットでも書きましたが、中古マンションの建て替えはなかなか進まないのが現状です。
ではいったい何が問題で進まないのでしょう?考えられる理由と現状について、問題点を幾つかご紹介します。
マンション建て替えの決議には5分の4の賛成が必要(老朽化物件は緩和へ)
マンションを建て替えるには、従来はマンション所有者(区分所有者)の 5分の4以上の賛成が必要でした。
しかし、耐震性不足など老朽化の事情が認められるマンションについては、将来的に賛成割合を 3分の2(または4分の3)程度に引き下げる制度見直しが進められています。
とはいえ、5分の4という高いハードルがあるため、十分な修繕積立がなく追加の負担が必要な古いマンションや、高齢者やローン残債のあるファミリーが多い中古マンションでは、建て替えの合意を得るのが非常に難しいのが現状です。
実際、旧耐震基準のマンションは多くあるものの、建て替えられているのはごく一部にとどまり、老朽マンションの再生は少数にとどまっています。
建替え可決後、少数反対者は売渡し義務が発生
建替えが賛成多数(原則5分の4以上)で可決された場合、建替えに賛成しなかった少数者は、区分所有法に基づき、建替えに応じて所有権を売渡す義務が生じます。
高齢者や住宅ローンが残っているなどの理由で、建替え費用を準備できない人も同様です。
売渡額(時価)の算定方法は法律で明確に定められていませんが、一般的には「敷地の更地価額から建物取り壊し費用を控除した額」などが目安とされます。場合によっては、市場価格より低く評価され、住居を失うリスクがあります。
このため、少数反対者にとっては不本意な売渡となる可能性があります。
まとめ:建替えが進まない現状と課題
マンション建替えには原則として所有者の5分の4以上の賛成が必要ですが、現状ではこれを満たすのは非常に難しく、実際に建替えが行われるのは1%程度にとどまっています。
最近の新しいマンションでは、所有者とのコミュニケーションや、新築時から建替え条件を見据えた積立計画が整備されているケースも増え、資金準備が進めやすくなっています。
一方で、かなり以前に建てられた老朽マンションでは、こうした計画がほとんど行われず、老朽化や空き室の増加が目立っています。
その結果、建築資金を集めるのがますます難しくなり、維持や再生が進まない物件が多く存在しています。
参考文献
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区分所有法に基づく建替え決議および売渡請求について
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谷口行政書士事務所「マンション建替えの売渡請求権の強制力」
https://taniguchi-office.net/sub/takken-support/2025/02/10/マンション建替えの売渡請求権の強制力
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老朽マンションの現状と建替えの課題
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リアルエステート東京「築年数40年以上マンションの現状と建替え動向」
https://www.realestate-tokyo.com/news/revisions-laws-2024/
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区分所有法の建替え規定(復旧及び建替えに関する条文)
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eiko.gr.jp「区分所有マンションの建替え決議」
https://www.eiko.gr.jp/law/区分所有マンションの建替え決議/
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