中古マンションは新築マンションとは違い、実物を見ることができるのが最大のメリットです。
実際のマンションで特に確認してほしいことは、そのマンションのコンクリートが今どうなっているのか?状態を見ることです。
マンションに使われているコンクリートスラブは、長い間の風や雨などで少しずつ劣化していきます。外壁のひび割れがあるかをチェックすることで、そのマンションの耐久性をチェックできるのです。
建てられてから5年、あるいは10年経ったマンションには、コンクリートをチェックすることで、そのマンションの耐久性がわかるので確認することをおすすめします。
中古マンションのコンクリート劣化の流れと強度を調べる方法について紹介します。
コンクリート劣化の流れ
マンションはまず基礎と鉄筋の後、コンクリートで固めていきます。作業時には柔らかく、乾燥すると固くなります。
コンクリート(スラブ)は乾燥後は表面を塗装していきます。外壁は塗装し、それ以外はむき出しのところもあり。
これが終了すると新築時の状態になります。この流れをイメージするとコンクリートの劣化の流れがわかります。では劣化の流れを見ていきます。
新築時に塗られた「塗装」が長年の雨風により剥がれていきます。これは全部ではなく一部で剥がれます。
そうなるとその個所だけ中のコンクリートが見えるようになります。このタイミングで修繕すると再生されます。
しかしそのまま放置しておくと、その場所のコンクリートが劣化し始めます。劣化の個所が2つ以上あると、それが伝わってやがて大きな一つになります。劣化が広がると最終的に鉄筋が見えるようになります。
これをさらに放置すると、雨水が入り鉄筋がさび始め、コンクリートがもろもろになってしまうという流れです。
イメージとしては公立小学校の建物の劣化ぐあいを思い出してもらうとわかりやすいかなと思います。劣化したひび割れ線が全体的にくっついていました(最近は耐震補強などで修繕されるようにはなっています)。
- 長年の雨風で塗装がはがれる
- 塗装がはがれた個所からコンクリートのひび割れが始まる→見つけ次第修繕すること
- 放置しておくとコンクリートの劣化が広がる
- 劣化の個所が増えて、それが大きな一つになる
- 最終的に鉄筋が見える
- 鉄筋がさびてしまい、コンクリートがどんどん剥がれ落ちる
特に3、4以降に修繕することになると多額の修繕費用になるので、2のタイミングでコンクリートと塗装の修繕をするようにしましょう。
2のタイミングで修繕することができる「マンション管理」というのは重要ですね。
中古マンションのコンクリート強度をチェック
▲マンションの壁を補修している様子
コンクリート劣化の流れを知った上でマンションのコンクリート強度をチェックしましょう。
私も中古マンション購入時に参考にさせてもらった本にもかかれていましたが、「線のようなひび割れ一本だけの場合は全く気にしなくてOK。神経質になりすぎないように」ということです。
どんなコンクリートでも劣化するとひび割れをしてしまうということです。完璧はありません。これは知っておきましょう。
以上を知った上でまずはマンションの外壁の劣化具合をゆっくり見て回ります。その後、駐車場が地下または1階にある場合は、コンクリートだけで塗装されていないことが多く見やすいのでそこもチェックしてください。
当時中古マンション探しの時に何度か駐車場をチェックした時の記憶では、駐車場は内側(マンション内)にあたるので、コンクリートがむき出しでも劣化を感じませんでした。
設計図書でも確認しよう
住宅には新築時に「設計図書」という分厚い建築資料があります。これを見ることでそのマンションの設計についてわかるようになっています。
その設計図書の中にマンションの強度について書かれています。その中の「品質基準強度」の数値が「設計基準強度」を上回っていることを確認してください。
また、もう一つコンクリートスラブの厚みにより劣化を遅らせることができます。それを知るには「設計図書」の「設計かぶり厚さ」が「最小かぶり厚さ」を上回っているかというのも確認するようにしましょう。
ココがポイント
- 品質基準強度 > 設計基準強度
- 設計かぶり厚さ > 最小かぶり厚さ
ただし、中古マンションの場合、売主側がこれを保管していないこともあるのが残念です。最近のマンションは保管されていることが多いようです。