「マンションの寿命」について考えたことはありますか?
購入者、または希望者はマンションの知識や住宅ローンについてはどんどん詳しくはなってはいきますが、「寿命については考えたことが無い」という方も多いと思います。
今回はマンションの寿命について専門家から話を聞く機会があり、それを覚えているうちにまとめてみました。
マンションの寿命が年々長寿化している理由
マンションの平均寿命を研究されている方のデータを例に、マンションに関係する「RC造(鉄筋コンクリート造)の共同住宅」だけを抜粋し見ていきます。
データは1998年、2005年、2011年と調べられています。グラフは私が作りました。
これによると1998年ではマンションの平均寿命が43年、2005年が46年、2011年に60年という結果になっています。
1998年と2005年では43~46年と僅差だったのが、2011年の調査結果では60年に急激に寿命が伸びているのがわかります。
(平均値なので、必ずしも全てのマンションに当てはまっているわけではありません)
その理由は、材料や施工、外壁塗装などのメンテナンス技術が進化し、以前に作られたマンションと比較して長持ちするようになってきたからです。
数年後にまた調査がされると思いますが、今後もより長寿化していくことは確実だということです。
マンション寿命をより伸ばしていくために必要なこと
材料や施工、メンテナンスの技術が進化したもののマンションの寿命は60年です。
以前からマンションの平均寿命に知っている方には、40年から60年に伸びたことに驚かれることだと思いますが、初めて聞かれた方には「えっ、たった60年だけ?」って思われることでしょう。
マンションはそのまま何も手を加えなければどんどん老朽化してしまいます。
管理、メンテナンスを通じてマンションの寿命を伸ばすことが可能
しかし、マンションの住人が管理組合、理事会、総会などを通じて、マンションをメンテナンスしていくことにより、寿命を伸ばしていくことが可能なのです。
例えば、外装塗装の塗り替え、屋上防水の補修、バルコニー床防水の修繕、その他電灯、郵便受けの取替え、排水管の取替えなどをある一定の周期で大規模修繕していくことが重要です。
- 外装塗装:壁の塗り替え
- 屋上防水の補修
- バルコニー床防水の修繕
- 電灯
- 郵便受けの取り替え
- 排水管の取り替え、など
ここで紹介した以外では修繕積立金の使い方や、場合によっては建替えの話も出てくるでしょう。
その為にはマンションを住人全員で管理していくことが必要であり、住人の発言をまとめる管理組合が機能させていくことがより重要です。人がマンションを長持ちさせるということです。
12年毎に大規模修繕工事を実施していくと100年以上もつ
マンションの寿命を伸ばすためには、コンクリート内の鉄筋が錆びてしまう中性化を抑えることです。
- 外壁補修などの中性化を抑える修繕
- 玄関ドアなどの共用設備の修理や交換
この2つの大規模修繕行うことで、より寿命を長引かせることができるのです。
もし100年持たせることができるのであれば、マンションを子供に譲ってからでも住み続けることができるようになります。
関連:中古マンションのコンクリート劣化の流れと強度を調べる方法
まとめ
「マンションの平均寿命とはいったいどれくらいなのか?」について、お話を聞いてきたのでまとめました。
中古マンションの購入を考えておられる方は、できるだけ新しいマンションをおすすめします。
平均寿命のこともありますが、耐震問題もありますからね。
個人的には5〜10年以内の中古マンションが、平均寿命も耐震問題もクリアしているので良いのではと思います。
そして管理組合も機能してますからね。
今から数年後に再びマンションの平均寿命のデータ発表があると思います。その結果でも長寿化していることは確実です。
ここからは大規模修繕などのマンション管理により、人的に長期化させていくことが必要になります。マンション住人全員が考えていく問題でもあります。