住宅ローンと言えば金利が高い低いということは注目されますが、実は金利が高い銀行が結果的に総返済額が安くなるというからくりがあります。
住宅ローンを組むためには色々な手数料や保証料が絡んでくるので、それらを総合して考えないと結果的に返済額が高くなります。
総合的に返済を安く済ませるためには、どこを抑えておけばよいのか。住宅ローンを組むときに重要な諸費用についてご紹介します。
住宅ローンは団体信用生命保険、保証料、事務手数料、3つの諸費用に注意
住宅ローンを借りるときに、特に重要になるのが団体信用生命保険(団信)、保証料、事務手数料3つの諸費用です。
1.団体信用生命保険
団体信用生命保険とは、借りた人が亡くなったり、高度障害になった時に残債を支払う必要がなくなるという生命保険です。詳しくは下の記事を読んでみて下さい
【関連】フラット35の団体信用生命保険以外に、収入保障保険という選択肢もあり
2.保証料
住宅ローンを借りた人が返済できなくなった時に、保証会社に住宅ローンの肩代わりをしてもらうために支払う費用のことです。
銀行が住宅ローンを払ってもらうための保険のようなものですね。諸費用の一つです。
【関連】住宅ローン保証料とは?いくらかかっていつ支払うのか?
3.事務手数料
住宅ローンを組む時の金融機関に支払う手数料のことです。
この3つを知っていたとしても、それらを計算して考えないと、総返済額(総支払額)だと大きく変わってくるのです。特に見落としがちなのが「保証料」と「事務手数料」です。
諸費用を合計して考えないと、総返済額では大きく変わってくる
上で紹介した諸費用などを合計して考えないと、総返済額では大きく変わってきます。
金利が高かった方が総返済額は安く済み、金利が低くて喜んでいたら、そちらの方が総返済額は高くなるということもあるのです。
一例で見てきましょう。
費目 | A銀行 | B銀行 |
住宅ローン金利 | 1.33% | 1.20% |
元金 | 3000万円 | 3000万円 |
支払利息 | 6,245,332円 (月々100,681円) | 5,738,139円 (月々99,273円) |
諸費用内訳 | ||
団体信用生命保険 | 0円 | 0円 |
事務手数料 | 4万5000円 | 0円 |
保証料 | 0円 | 86万2000円 |
保証会社手数料 | 0円 | 3万2000円 |
抵当権設定登録免許税 | 12万円 | 12万円 |
司法書士手数料 | 10万円 | 10万円 |
印紙税 | 2万円 | 2万円 |
諸費用の合計 | 28万5000円 | 110万4000円 |
総支払額 | 3,653万0,332円 | 3,648万2,139円 |
上の金利を見ると、B銀行が利息が安いので支払い利息は当然A銀行より安くなりますが、下の諸費用内訳を加えることで、総支払額が変わってきます。
団体信用保険は両方とも0円ですが、特にここでは保証料がB銀行で約86万円を支払うことになっています。ここが大きい!また、保証会社手数料を見るとA銀行では0円ですが、B銀行では3万2000円となっています
この差によって総支払額を見ると逆転現象が起こっていることがわかります。
保証料無料でも事務手数料が高いことも、その逆もあり
金融機関によって「保証料無料」と大きく書かれていると、そこだけが目に行ってしまいますが、そういう場合は「事務手数料」が高かったりすることがあります。
また「事務手数料が無料」と書かれていたら、「保証料」が高かったりすることがあるのです。ここは要注意ですね。
ついつい無料ということに喜んで飛びついてしまうことがありますが、その時は諸費用をすべて調べて合計することを忘れないようにしましょう。
そうしないと、総返済額が逆に高くなってしまうということになります。気になる金融機関があれば、その住宅ローンについてシミュレーションすることをおすすめします。諸経費も比較するのをお忘れなく。