先日、大阪で大地震があり「大地震にあった場合、マンションは大丈夫か?」という問題が再び話題に出ています。
私も阪神淡路大震災と今回の大阪大地震の2度大きな地震を経験し、感じているところもあるので、その点を書いてみたいと思います。
「大地震に強いマンション選び」の考え方について①旧々耐震・旧耐震基準、②バランスの悪いマンション、③耐震等級、④耐震・免震・制震、⑤エレベーター、⑥津波、⑦地震保険・火災保険の視点で紹介します。
1.旧々耐震・旧耐震問題
新築マンションの場合は問題ありませんが、中古マンションを購入する時はそのマンションが何年前に建てられたかが重要なポイントです。
「旧々耐震、旧耐震、新耐震基準はいつからいつまで?その違いや変更点」にも書いたように、旧々耐震基準(1971年以前のマンション)と旧耐震基準(1981年以前のマンション)が大地震に問題となります。
どちらも「震度5では倒壊しない」という基準。震度6以上の大地震が当たり前の昨今、これらの中古マンションを購入するのは辞めておきたいところです。
2.バランスの悪いマンション
(旧耐震や旧々耐震ではなく)新耐震基準のマンションだから大丈夫だと安心してはいけません。
マンションには複雑な形をしたものがあり、それが原因で倒壊する危険性があります。
建物そのものの形状の問題なので、新耐震基準のマンションであってもこれは別問題になります。
バランスの悪いマンションについては「崩壊の恐れがあるバランスの悪いマンション5パターン」と言う記事にまとめています。
3.耐震等級
耐震等級というのが建物にはあり「どの程度地震に耐えられるのか?」を示している基準です。
耐震等級は1から3まであります。今建てられている新築マンションは全てが「耐震等級3」だと思いきや、いまだに耐震等級1のマンションもあります。
その理由については「マンションは未だに耐震等級1が多く、2や3が少ない理由」に書きました。できるだけ耐震等級が3のマンションを買いたいところです。
4.耐震・免震・制震
マンションには「耐震マンション・免震マンション・制震マンション」の3つの構造を採用しています。
特に阪神淡路大震災以後の大地震に備えての取り組みで、それ以前に造られているマンションにも大地震に耐えられるように強度を上げています。
人気の超高層マンション(タワーマンション)は免震構造マンションですが、設置の価格が高いのと免震ゴムの取替え費用がかかるという問題があります。
3つの構造の特徴については「耐震、制震、免震構造マンションの違い」を読んでみてください。
5.高層マンションのエレベーター問題
今回の大阪大地震でもあったように、地震直後にたくさんの人たちがエレベーター内に閉じ込められました。
これは危険だからというのもありますが、エレベーターの安全チェックをする必要があるため停止しています。
しかしいつもならすぐに復旧するのですが、大地震の場合は同時にエレベーターが停止しているので、復旧までに時間がかかります。
その他、タワーマンションだと、マンション停止中の住人が1階まで行けないという問題や余震が起こった時に「またエレベーターが停止するのでは?」という不安もあります。
このエレベーター問題については「タワーマンションと地震、最大の問題はエレベーターが停止すること」と言う記事にまとめているので読んでみてください。
6.津波の問題
今回の大阪の大地震を経験して改めて感じたのは「津波があったらどうなるのか?」ということです。
もちろん一番良いのは津波が来ても浸水しない場所にマンションを購入することです。
住みたい場所、住んでいる場所が津波にあった場合、どこまで浸水するのかについて先にわかっておくようにしましょう。
詳しくは「住みたい街は安全か?自然災害の場合のハザードマップを確認しよう」と言う記事を読んでみてください。
7.地震保険・火災保険について
マンションにはいくつかの保険がありますが、その中の一つに地震保険があります。
これは任意の保険で、保険料が高額なので加入を考えさせられる保険です。
また「火災保険では保証されない」というのと、一戸建てよりもマンションの方が保険料が高かったりと色々と難しい保険ではあります。
「マンション保険の種類とその特徴」と言う記事に地震保険の特徴についても簡単ですがまとめてみるので、考えてみてください。
また、今回の地震で火災にならなかったのは幸いですが「もし阪神淡路大震災のように火災が続いていた場合はどうなっていたのか?」も考えさせられました。
「マンションに火災保険は必要?保証対象は?いつ加入するの?」を読んで、火災保険についてどうするかも決めておきたいところです。
まとめ
阪神淡路大震災から何十年も経った後に発生した大阪大地震。阪神淡路大震災の教訓を生かせたのかについて色々と語れています。
色々語られていますが、住む場所というのは自分たちが決めて、購入し、そこで生活していきます。
大地震が来てから「それは知らなかった」では済ませられないので、先に家族で知っておき、もし大地震が発生してもすぐに対応できるようにしておきたいところです。
マンション購入を希望される方は、その建物が大地震に耐えられるのか、火災があった場合、津波があった場合、浸水してしまった場合について、今から想定して「それならこの場所を辞めておこう」「ここなら良さそうだ」という客観的データから判断して選んでいきましょう。
今回大地震があり、改めて自然災害について考えさせられることがあったので、ここでまとめました。